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(金魚の品種改良で)次から次へと金魚を縦に割き、輪切にし、切り刻んで取り出した臓器を一面に撒乱 させ、じっと拡大鏡で覗いたり、ピンセットでいじり廻したりして深夜に至るも、夜を忘れた一心不乱の態度が、何か夜の猛禽獣 が餌を予想外にたくさん見付け、喰べるのも忘れて、しばらく弄 ぶ恰好 に似ていた。
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:57% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......。事実、しんしんと更 けた深夜の研究室にただ一人残って標品 を作っている復一の姿は物凄 かった。辺りが森閑 と暗い研究室の中で復一は自分のテーブルの上にだけ電燈を点 けて次から次へと金魚を縦に割き、輪切にし、切り刻んで取り出した臓器を一面に撒乱 させ、じっと拡大鏡で覗いたり、ピンセットでいじり廻したりして深夜に至るも、夜を忘れた一心不乱の態度が、何か夜の猛禽獣 が餌を予想外にたくさん見付け、喰べるのも忘れて、しばらく弄 ぶ恰好 に似ていた。切られた金魚の首は電燈の光に明るく透けてルビーのように光る目を見開き、口を思い出したように時々開閉していた。 都会育ちで、刺戟に応じて智能 が多方面に働き易く習性......
単語の意味
猛禽類(もうきんるい)
深夜(しんや)
暫く・姑く・須臾(しばらく)
猛禽類・・・鋭いつめとくちばしを持ち、他の小動物や小鳥を捕食する鳥の総称。ワシやタカなど。
深夜・・・真夜中。夜更け。深更(しんこう)。
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
2.ちょっと待った!
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