もう竹藪の雪が落ちるほど積ってきたのか、ざざっ、どどっ、と地ゆるぎのするたびに燈芯の灯がゆらめく
吉川英治 / 雲霧閻魔帳 ページ位置:94% 作品を確認(青空文庫)
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雪
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前後の文章を含んだ引用
......で、少し針箱を片寄せてそのまま、他念のない針をチクチク運んでいた。 静かに心蓮は、彼女のうしろに立った。そして、土間からは見えなかった仏壇の位牌に眸をこらした。もう竹藪の雪が落ちるほど積ってきたのか、ざざっ、どどっ、と地ゆるぎのするたびに燈芯の灯がゆらめくのだった。 「あッ……」 心蓮の顔は、とたんに、血の気を失っていた。 法名と共に、書いてある月日。そのわきには、俗名高梨外記。 鉦 も鳴らぬ……。誦経の声もいつまで......
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壁を立てたように雪が視野を塞ぐ
大仏 次郎 / 雪崩 (1953年) amazon
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だんだん霜は鋭くなってきた。
梶井基次郎 / 冬の日
幌舞は時も場所もわからぬほどの吹雪になった。 古い駅舎は、音も光もない純白に埋ずもれた。
浅田次郎 / 鉄道員(ぽっぽや)「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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