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水に足を踏み込む。ジャバン! とまるで湯船に足をつけたように水音が大きく反響して、この窪地が異様なまでに静かだったことに今さらに気づく。膝上までの重い水の中を歩くと、一歩毎に大きな水音が響く。俺は無垢で真っ白だったなにかを土足で汚しているような気持ちになってくる。俺がやってくるまでは、この場所は完璧な沈黙の中にあったのだ。俺は歓迎されていない。直感的にそう思う。
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水に飛び込む
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前後の文章を含んだ引用
......の時間があの夢から経ったのか。いずれにせよ、巨木は池を挟んだ数十メートル先だ。 ここから先は、あの世。 確か、誰かがそう言っていた。 では、これは三途の川か。 水に足を踏み込む。ジャバン! とまるで湯船に足をつけたように水音が大きく反響して、この窪地が異様なまでに静かだったことに今さらに気づく。膝上までの重い水の中を歩くと、一歩毎に大きな水音が響く。俺は無垢で真っ白だったなにかを土足で汚しているような気持ちになってくる。俺がやってくるまでは、この場所は完璧な沈黙の中にあったのだ。俺は歓迎されていない。直感的にそう思う。体温が、ふたたび冷たい水に吸い出されていく。やがて俺は胸元まで水に浸かり、それでも、なんとか池を渡りきる。 その巨木は、大きな一枚岩に根を絡ませて立っていた。 ......
単語の意味
無垢(むく)
異様(いよう)
無垢・・・1.混じり気がないさま。けがれがなく純真なさま。
2.無地で一色の衣装。「白無垢」
2.無地で一色の衣装。「白無垢」
異様・・・様子が普通とは変わっているさま。他とあまりに違っていて、変に思われるさま。
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水に足を踏み込む。ジャバン! とまるで湯船に足をつけたように水音が大きく反響して、この窪地が異様なまでに静かだったことに今さらに気づく。膝上までの重い水の中を歩くと、一歩毎に大きな水音が響く。俺は無垢で真っ白だったなにかを土足で汚しているような気持ちになってくる。俺がやってくるまでは、この場所は完璧な沈黙の中にあったのだ。俺は歓迎されていない。直感的にそう思う。
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岡本かの子 / 渾沌未分
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