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もはや忘れたことすら気づいていない記憶がたくさんある。忘れてはいないのだが、もう死ぬまで思い出さないかもしれない記憶もあって、考えようによったら忘れるよりもその方が残酷だ。
滝口 悠生 / 死んでいない者 ページ位置:66% 作品を確認(amazon)
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶
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......もう絶対地図は見ない。 はっちゃんは強くそう決心した。思い出せないのなら思い出せないでもう構わない。そうやってたくさんのことを忘れてしまって思い出せないのだし、もはや忘れたことすら気づいていない記憶がたくさんある。忘れてはいないのだが、もう死ぬまで思い出さないかもしれない記憶もあって、考えようによったら忘れるよりもその方が残酷だ。 なにかを思い出すことはだから嬉しいけれど、そんなに仔細に思い出したいわけじゃない。詳細になれば噓になる。とはいえこうして具体的な場所が意識にのぼれば、いやおう......
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶の表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
照明がほの暗かったような気がするのは、古びた記憶のせいだろう。ブティックの店内が暗いはずはない。
浅田次郎 / 伽羅「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
(曖昧な記憶)隆吉の姿がいまではぼやけてしまって、風船のように、虚空に飛んでしまっている。
林 芙美子 / 河沙魚「林芙美子傑作集 (1951年) (新潮文庫〈第201〉)」に収録 amazon
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あれは昭和二十六年やったと言いながら、武内は 朦朧 とした頭の中のそこだけいやに 冴えわたった一隅で、阪神間を一望する芦屋の高台から 眺めた夜の海を思った。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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