晩夏の景色をつつむ引き締まった空気
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:6% 作品を確認(青空文庫)
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晩夏・夏の終わり
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前後の文章を含んだ引用
......って素直 にはいって行った。 「Simpleton!」 葉子は心の中でこうつぶやくと、焼き捨てたように古藤の事なんぞは忘れてしまって、手欄 に臂 をついたまま放心して、晩夏の景色をつつむ引き締まった空気に顔をなぶらした。木部の事も思わない。緑や藍 や黄色のほか、これといって輪郭のはっきりした自然の姿も目に映らない。ただ涼しい風がそよそよと鬢 の毛をそよがして通るの......
単語の意味
晩夏(ばんか)
景色(けしき)
晩夏・・・夏の終わりのころ。陰暦6月の異名。
景色・・・風景。眺め。とくに、自然の眺め。
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その年の短かい夏が九月初めの不確かな大気の揺らめきに吸い込まれるように消えた後も、鼠(人名)の心は僅かばかりの夏の名残りの中に留まっていた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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(雨季)雨はシャワーのように機械的に連続して降り、ぴたりと 止み、また不意に、 栓 をひねったように落ちて来た。そうして幾日も幾日も降った。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
山にさえぎられて日照時間が少ない神去村では、梅雨になると太陽の存在を忘れてしまいそうになる。冬のシベリアかっていうぐらい、インインメツメツとしてくる。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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