吉川英治 / 八寒道中 ページ位置:3% 作品を確認(青空文庫)
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冷たい性格
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前後の文章を含んだ引用
......と、なにもかも白い氷に凍 てている天地が想像されてならない。 そのくせ、当の安成 三五兵衛その者は、どういう人かと見ると、これはまた、痩身 衣 にも耐えずという風采 で、眼 ざしは執着のねばりを示し、眉は神経質に細くひいて、顔いろだけが長い旅に焦 けているが、その唇は冷やッこくすねて、哄笑も微笑も忘れているかに見える。 永いこと家庭をもたぬ人の特長として、ひどく青年らしいところもあるが、年は三十四、五だろう、すべてが「冷たい感じの人物」である。 その三五兵衛が、「八寒嘯」の字義を気にかけるなどは少しおかしいが、同性相忌 むというから、彼のような冷徹 な型の人間は、かえって、つよい温か味を欲するのであるかも......
単語の意味
哄笑(こうしょう)
哄笑・・・その場にいた人が一斉に大笑いすること。大きな口を開けて声高く笑うこと。
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冷たい性格の表現・描写・類語(性格・態度のカテゴリ)の一覧 ランダム5
鬼よりも血が冷たかろう。孤独な人間は、こうなるのが当りまえ。
吉川英治 / 野槌の百
(冷徹な医者)病室で誰かが死ぬ。親や姉妹が泣いている。ぼくは彼等の前で気の毒そうな表情をする。けれども一歩、廊下に出た時、その光景はもう心にはない。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
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「性格・態度」カテゴリからランダム5
彼の姿が、恐ろしく冷淡に見えた。――僕らの方へ向って、彼が背中を向けているように見えた。
広津 和郎 / 波の上―短篇集 amazon
ちょうど油の中へ水を一滴垂らしたように、どうにも周囲と密度が合わない
山本 周五郎 / 武道小説集 amazon
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