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両眼から涙のようなものが一二滴眼尻めじりから頬へ流れ出した。山葵わさびいたものか、飲み込むのに骨が折れたものかこれはいまだに判然しない。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:44% 作品を確認(青空文庫)
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ワサビ
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前後の文章を含んだ引用
......勢を以て、口を箸の方へ持って行ったなと思うもなく、つるつるちゅうと音がして咽喉笛のどぶえが一二度上下じょうげへ無理に動いたら箸の先の蕎麦は消えてなくなっておった。見ると迷亭君の両眼から涙のようなものが一二滴眼尻めじりから頬へ流れ出した。山葵わさびいたものか、飲み込むのに骨が折れたものかこれはいまだに判然しない。「感心だなあ。よくそんなに一どきに飲み込めたものだ」と主人が敬服すると「御見事です事ねえ」と細君も迷亭の手際てぎわを激賞した。迷亭は何にも云わないで箸を置いて胸を二三......
単語の意味
頬(ほお・ほほ)
・・・顔の一部。顔の両脇で、口の真横にあるやわらかい部分。ほっぺ。ほっぺた。
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