山肌が赤味を帯びて蜿々と連なったこの山脈は、確かに竜の天空にのた打つような趣に見える

（山脈の）伏した女の背中のような起伏

山脈は低くなり丘と谷が 錯綜 して来た。 磯波いそなみ のようにまくれ返った頂上を並べた低い丘が、海岸方面に連り、道はその裏側を 廻った。

大山の美しい山並は、まるで拾い物をしたようにもみえた。

翼のように波打つ峰をひろげる連山

（タクラマカン砂漠）あそこの砂はパウダー状で軽くて実体がなくて、それがもう四方八方見渡す限りどこまでも広がってる。自分の身体なんてあっという間に砂に同化して風に飛ばされてしまいそうな気がするんだ。あの砂漠では誰でも死について考えてしまう。というより、皮膚がひりひりするくらいに直接死を感じてしまうんだ。絶対零度の孤独って吐き気にちょっと似てるよね――

トンネルに入ると、乾いたフロントウインドウを撫でるワイパーが軋んだ音を立てる

エメラルドグリーンのサンゴ礁にかこまれた緑の島。

一里も離れている「隣りの人」

猿と人とが半々に住んでるような