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料理屋で、鯨の刺身が出た。赤い所を鰹と同じ具合に生薑(しょうが)醤油で食べるので、やはりそこは魚と違って鰹よりももっとこくがあり、というよりも、これは紛れもない獣の肉の味がして、それでいて刺身に出来る程度にあっさりしているから、これは何とも結構なものだった。例えば、すき焼きやビフテキで日本酒を飲むと、食べものの方が重過ぎて飲んでいる気になれないが、鯨の刺身というのは、つまり、鯨という獣の肉の刺身で、それだけしっかりした食べものなのに幾らでも平げられるし、切ったり、つっついたりする手間もかからなくて、もしこういう生きがいい上等な鯨の肉があれば、酒の肴はこれに限ると思った位だった。
吉田 健一 / 酒肴酒 作品を確認(amazon)
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くじら
酒の肴・つまみ
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単語の意味
肴(さかな)
鯨(くじら)
鰹・堅魚・松魚(かつお)
肴・・・お酒と一緒に楽しむもの。食べ物に対して言うことが多いが、盛り上がる話題や芸事にも言う。アテ。つまみ。
鯨・・・1.クジラ目の哺乳類の総称。動物中最大の海獣。潮を吹く。後肢は退化し、前肢は鰭ひれ状、尾は尾鰭おびれ状で魚の形をしているが、魚と違って水平に広がる。種類が多く、歯のあるもの(歯クジラ)と、ないもの(ひげクジラ)とに分けられる。
2.鯨尺(くじらじゃく[=ものさしの一種])の略。
2.鯨尺(くじらじゃく[=ものさしの一種])の略。
鰹・堅魚・松魚・・・サバ科の中形の海産魚。形は紡錘形で、肉は赤黒く、初夏に初鰹(はつがつお)、秋に戻り鰹として、刺身やたたき、鰹節などで食用にする。「かつお」の語源は、古くから干物などの加工品にされ身が堅いという意味の堅魚(かたうお)に由来するとされる。ちなみに中国で「鰹」の字はウナギを指す。
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酒飲みは酒の肴などなくても、のり2、3枚あればいいと言うし、よく夕暮れ、町の酒屋の前を通ると、手に塩を乗せて、それでコップ酒を飲んでる人を見かけたが、私の場合、酒の肴がいくつか並んでなければどうも酒がうまくない。
遠藤周作 / ぐうたら人間学 amazon
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紛れもない肉の繊維の抵抗があって、今自分は肉を食べているのだと思っただけで何か非常に満足な気持ちになった
吉田健一 / 甘酸っぱい味 amazon
刺身はほとんど臭みがなく、内臓はぷりぷりした歯触りに富み、肉は柔らかでたっぷり脂肪が乗っていて、マグロのトロよりうまかった
宇能鴻一郎 / 味な旅 舌の旅 amazon
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