白日の闇が満ち充ちている
梶井基次郎 / 蒼穹 ページ位置:96% 作品を確認(青空文庫)
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むなしい・虚無感
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前後の文章を含んだ引用
......すめたとき、突然私は悟った。雲が湧き立っては消えてゆく空のなかにあったものは、見えない山のようなものでもなく、不思議な岬 のようなものでもなく、なんという虚無! 白日の闇が満ち充ちているのだということを。私の眼は一時に視力を弱めたかのように、私は大きな不幸を感じた。濃い藍色 に煙りあがったこの季節の空は、そのとき、見れば見るほどただ闇としか私には......
単語の意味
白日(はくじつ)
白日・・・1.明るく輝く大陽。真昼の太陽。昼間。白昼。
2.身が潔白であること、やましいことがないことのたとえ。
2.身が潔白であること、やましいことがないことのたとえ。
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彼の体の内を風が吹き抜けるように、空虚さが通った。
石原 慎太郎 / 行為と死 (1967年) amazon
仄暗い虚無感が、鏡の上の曇りのように僕の意識に影を落した。
福永 武彦 / 草の花 amazon
ぼくの心は白々とむなしかった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
(返ってくるはずのない父を待って)何台ものバスが過ぎた。乗客は次第に減って行った。一台をやりすごすたびに、恭一の心もうつろになって行った。からっぽのバスが来ると、胸もからっぽになった。
浅田次郎 / 角筈にて「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
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若葉ちゃんの背中を見た。綺麗に纏められた髪の毛が、かえって惨めさを際立たせている気がした。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
悲壮な感慨が、胸に潮のごとく湧きあふれる
海音寺 潮五郎 / 武道伝来記 amazon
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