いなせなオールバック

スーパーロング

短い角刈り

抜け上った生（は）え際（ぎわ）から前髪が堤防工事のように高く聳（そび）えて、少なくとも顔の長さの二分の一だけ天に向ってせり出している。

短くカットした髪を六四にふわりと分けている。

品の良い廊下がボウリング・レーンみたいにまっすぐ続いている。

長い並木道が、まるで延ばした帯皮のように、何処までも真直ぐに長く続いて、月夜の晩にはキラキラ光る。

ジープがやっと通れるくらいの道で、頭が痛くなりそうなほどまっすぐだった。カーブもなければ、急な坂もない。前を見ると、何もかもが一点に吸い込まれていた。

滝のようにまっすぐに流れる黒髪

先が上方向と後ろ方向へ飛び散っている。鳥類を思わせた。

わかめのようにうねった黒髪

ぼさぼさの髪を無造作に一つ結びにしていてほつれた髪が耳を覆っている。まるで顔の後ろに闇を背負っているように見えた。

髪は海風になびき、強い太陽光にひるんでいるよう

浮浪者のように髪も 髭 も伸び

柔道の稽古ができるくらいの空間があった。

オセロゲームのようにいつも隅っこに陣取っている。

フィルムが切れるみたいに突然ぷつんと終わる

（とうもろこしは）几帳面な性格である。 　とうもろこしの粒は、縦一列に整然と、まっすぐに並んでいる。 　しかも、一分の隙間もなく、誠実に芯の表面を覆いつくしている。 　昔のとうもろこしは、ところどころに空き地があったが、最近のは例外なくびっしりと隙間なく並んでいる。 　その過密性は建売住宅を思わせる。 　土地の有効利用を考えなくてはならない時代性を、とうもろこしなりに考えているのかもしれない。

フッと眼を覚ますと、せまい蒲団なので、私はたい子さんと抱きあってねむっていた。二人とも笑いながら背中をむけあう。