そこにあるものを一払 いに払いのけると、花壇の土を掘り起こしたようにきたない畳が半畳ばかり現われ出た。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:13% 作品を確認(青空文庫)
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畳(たたみ)
どかす・除く
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前後の文章を含んだ引用
......この音楽のようなすべすべした調子の声を聞くと、古藤は始めて illusion から目ざめたふうではいって来た。葉子は左手を二の腕がのぞき出るまでずっと延ばして、そこにあるものを一払 いに払いのけると、花壇の土を掘り起こしたようにきたない畳が半畳ばかり現われ出た。古藤は自分の帽子を部屋のすみにぶちなげて置いて、払い残された細形 の金鎖を片づけると、どっかとあぐらをかいて正面から葉子を見すえながら、 「行って来ました。船の切符......
単語の意味
土(つち)
土・・・岩石と有機物が混じって細かい粉末状になったもの。有機物は、生物の死骸およびその腐敗物、微生物などから構成されている。砂(有機物が含まれない)とは違い、植物が育ちやすい。
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畳の上では何か焼いた跡らしく、点々と畳が焦げていて
林芙美子 / 新版 放浪記
畳の目も、傷んだところは 藺草 が切腹して、なかから、キビガラの 芯 みたいなのがはみ出していた。畳の目ひとつひとつが小さなクッションになっている。
向田邦子 / 耳「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 amazon
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手垢 にまみれた 襖
浅田次郎 / 角筈にて「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
いくら拭いても、砂が入って来て艶の出ないという白っぽい、かさっとした縁側
宮本百合子 / 明るい海浜
地虫の鳴くようなスチームの音
日野 啓三 / 抱擁 amazon
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水の底で海草にからまれたような始末の悪さ
安岡 章太郎 / ガラスの靴
芥川龍之介 / 偸盗
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