僕は今君と性交している。僕は君の中に入っている。でもこれは本当に何でもないことなんだよ。どちらでもいいことなんだ。だってこれは体のまじわりにすぎないんだ。我々はお互いの不完全な体を触れあわせることでしか語ることのできないことを語りあっているだけなんだ。こうすることで僕らはそれぞれの不完全さをわかちあっているんだよ

（正常位）女は、まるで溺れかけている人のように男の大きな身体にしがみついている。

武内の上でせわしげに動きだした鈴子の体

男の腰は異常な早さで女の白い下半身に打ちつけられる。

水島は射精の瞬間を少しでも先にのばしたがっている。何度か動きを止め、あるいは身体を離し、鎮まるのを待つ。

「私のこと、嫌いになっちゃったのかなあ。このペニス」

愛を物語る指の動きや、情感を肌の上に 均す舌の滑り具合

タクシーの中で、レストランのテーブルの下で、二人の手はすぐにからみ合った。そしらぬ顔で話を続けながら、指と指を激しくこすり合わせる。こんな恋人同士のゲームを、

セクシュアルなキス。

私の口のほうに二人の舌があるのは初めてのことだった。私は伊吹の舌を奏でるように、伊吹の口の中をゆっくりと泳いだ。何で舌を絡めるのか、初めてわかったような気がした。 　唾液が震えて、私の感情と一緒に、伊吹の中に流れ込んでいく。