河岸の菩提樹 の夕闇を細 かく刻 んだ葉は河上から風が来ると、飛び立つ遠い群鳥のように白い葉裏を見せて、ずっと河下まで風の筋通りにざわめきを見せて行く。
岡本かの子 / 巴里祭 ページ位置:27% 作品を確認(青空文庫)
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草木のざわめき
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前後の文章を含んだ引用
......と呼んでいる。彼女もそのときはおばさんの立前になっていろいろ親切に世話をやくのであった。 河堤の古本屋の箱屋台はすっかり黒い蓋をしめて、その背後に梢を見せている河岸の菩提樹 の夕闇を細 かく刻 んだ葉は河上から風が来ると、飛び立つ遠い群鳥のように白い葉裏を見せて、ずっと河下まで風の筋通りにざわめきを見せて行く。ルーブル博物館を中心に肩を高低させている向う岸の建物の影は立昇る河霧にうっすり淡色の夕化粧を見せて空に美しい輪廓を際立たしている女の横顔 のようだ。その空はまた一......
単語の意味
夕闇(ゆうやみ)
夕闇・・・日が沈んで、月が出るまでの間の薄い暗闇。夕方、月がなくて暗いこと。
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ケヤキの枝先が、警告を与える古老の指のようにひからびた音を立てて震えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
風に木立の騒ぐ音が遠く水の流れのように聞えた。
島木 健作 / 第一義
土手の草がさわさわと鳴っていた。
小川 洋子 / 夕暮れの給食室と雨のプール「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
くさむらが、背丈の高い野菊のしげみを風にゆすって、彼をまねいている。
野間 宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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アルミの鍋蓋を重ねるような雑音
永井 龍男 / 青梅雨 amazon
平手打ちの音が、ロビーのドーム全体がシンバルになったかのように響き渡る
島田 雅彦 / 未確認尾行物体 amazon
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広場の手入れをするものもなく、そこにはまるでチャンスを待ちかねていたように緑の夏草が生い茂りはじめていた。
村上 春樹 / 象の消滅「新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
(オレンジがかった黄色のバラ)おひさまのような色で、これをテーブルの真ん中に飾ると、部屋全体がパッと明るくなりそうです。
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