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あの女のまなざし一つで、身を滅ぼした男の数は、この炎天にひるがえる燕 の数 よりも、たくさんある。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:17% 作品を確認(青空文庫)
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大量に・たっぷり・たくさん
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前後の文章を含んだ引用
......を買いかぶった、虫のいい量見 に過ぎなかった。いや、弟を見上げすぎたというよりも、沙金のみだらな媚 びのたくみを、見下げすぎた誤りだった。ひとり次郎ばかりではない。あの女のまなざし一つで、身を滅ぼした男の数は、この炎天にひるがえる燕 の数 よりも、たくさんある。現にこう言うおれでさえ、ただ一度、あの女を見たばかりで、とうとう今のように、身をおとした。…… すると四条坊門 の辻 を、南へやる赤糸毛 の女車 が、静かに太郎の行く手......
単語の意味
翻す(ひるがえす)
炎天(えんてん)
燕(つばめ・つばくら・つばくろ・つばくらめ)
炎天・・・1.真夏の、焼けるように暑い日差しの天気。また、その空。太陽の日差しが激しく照りつける夏の暑い空。
2.<a href="http://hyogen.info/word/5437854">九天(きゅうてん)</a>で、南の空。
2.<a href="http://hyogen.info/word/5437854">九天(きゅうてん)</a>で、南の空。
燕・・・ツバメ科の鳥。背や翼は光沢ある青黒色で、顔と喉(のど)は栗色、腹は白色の渡り鳥。尾は長く、二つに割れている。日本には春にやってきて民家に巣を作る。秋に去る。作物や樹木の害虫を捕食する、代表的な益鳥(えきちょう)。
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