TOP > 暮らしの表現 > 健康・体調・病気 > 体力の低下・体が衰える・衰弱
(冬のハエは)読んでいる本へ纒 わりついて、私のはぐる頁のためにいつも身体を挾み込まれた。それほど彼らは逃げ足が遅い。逃げ足が遅いだけならまだしも、わずかな紙の重みの下で、あたかも梁 に押えられたように、仰向 けになったりして藻掻 かなければならないのだった。
梶井基次郎 / 冬の蠅 ページ位置:36% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
瀕死・虫の息
体力の低下・体が衰える・衰弱
蚊・ハエ
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......な鮮やかさを帯びて来る。そして私は褞袍 をまとって硝子 窓を閉 しかかるのであった。 午後になると私は読書をすることにしていた。彼らはまたそこへやって来た。彼らは私の読んでいる本へ纒 わりついて、私のはぐる頁のためにいつも身体を挾み込まれた。それほど彼らは逃げ足が遅い。逃げ足が遅いだけならまだしも、わずかな紙の重みの下で、あたかも梁 に押えられたように、仰向 けになったりして藻掻 かなければならないのだった。私には彼らを殺す意志がなかった。それでそんなとき――ことに食事のときなどは、彼らの足弱がかえって迷惑になった。食膳のものへとまりに来るときは追う箸をことさら緩 っ......
単語の意味
身体(しんたい)
足・脚・肢(あし)
身体・・・人のからだ。肉体。
足・脚・肢・・・1.動物の胴体の下から左右に分かれて伸びている部分で、歩いたり体を支えるのに用いる部位。とくに、足首から下の部分をさすこともある。
2.台を支える棒状の部分。物の本体を支える、突き出た部分。また、地面に接する部分や、物の下や末端部分。「テーブルの足」
3.歩くこと。走ること。また、その能力。「足が速い選手」
4.行くこと。また、来ること。また、そうするための手段や乗り物。「客の足がとだえる」「足の便がいい」
5. 餅(もち)などの粘り。こし。
6.損失。欠損。借金。また、旅費。
7.その他、足の形や動きから連想されできた表現として、
・食べ物の腐りぐあいや、商品の売れ行き。「足がはやい」
・(脚)漢字を構成する部分で、上下の組み合わせからなる漢字の下側の部分。「照」の「灬(れっか)」、「志」の「心(したごころ)」など。
・雨や雲、風などの動くようす。「細い雨の足」
・(足)過去の相場の動きぐあい。
2.台を支える棒状の部分。物の本体を支える、突き出た部分。また、地面に接する部分や、物の下や末端部分。「テーブルの足」
3.歩くこと。走ること。また、その能力。「足が速い選手」
4.行くこと。また、来ること。また、そうするための手段や乗り物。「客の足がとだえる」「足の便がいい」
5. 餅(もち)などの粘り。こし。
6.損失。欠損。借金。また、旅費。
7.その他、足の形や動きから連想されできた表現として、
・食べ物の腐りぐあいや、商品の売れ行き。「足がはやい」
・(脚)漢字を構成する部分で、上下の組み合わせからなる漢字の下側の部分。「照」の「灬(れっか)」、「志」の「心(したごころ)」など。
・雨や雲、風などの動くようす。「細い雨の足」
・(足)過去の相場の動きぐあい。
ここに意味を表示
瀕死・虫の息の表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
断続の急な呼吸、糸のようなかぼそい生命(いのち)
瀧井 孝作 / 無限抱擁 amazon
このカテゴリを全部見る
体力の低下・体が衰える・衰弱の表現・描写・類語(健康・体調・病気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
眠り草のように身体が萎える
円地 文子 / 渦 amazon
もぐらが天日にさらされたように体が衰弱する
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
このカテゴリを全部見る
蚊・ハエの表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(蚊は)蚊帳を透かして来る月光の中を飛んでいるのです。なんだか、月光を求めながら、押し流されては戻って来ようとでもしているようであります。
森 敦 / 光陰「月山・鳥海山 (文春文庫 も 2-1)」に収録 amazon
一匹の 蠅 が、格子から飛びこんできて、ねむけを誘う羽音をたてながら司祭の周りを廻りはじめる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
夢現(ゆめうつつ)のようないらいらしい心を責め苛むように耳につく蚊の唸り声
徳田 秋声 / あらくれ amazon
真っ昼間から蚊だの蝿だのがぶんぶん呻って、とても暑くってやり切れやしない
谷崎潤一郎 / 痴人の愛 amazon
このカテゴリを全部見る
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
花にたわむれている蝶は粉雪のように軽い
白洲 正子 / 能の物語 amazon
この虫の、灰色の統絹(ぬめぎぬ)のような毛の一面に生えた、妙に小さな頭
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
蝉の声が海のように鳴る
光瀬 龍 / 百億の昼と千億の夜 amazon
油蝉が油を煮るように喧しくなき出した。
平林 たい子 / 施療室にて「こういう女・施療室にて (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
蝉のトンネルとでも云いたいほど、騒々しく鳴きしきる
里見 トン / 美事な醜聞「初舞台・彼岸花 里見トン作品選 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
「健康・体調・病気」カテゴリからランダム5
私は遁(のが)れた獣のようにその傷口を舐めた。
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
命拾いしたのだからこれくらい大きな幸運はあるまい。 単に命が助かっただけではない。一旦は絶望していた仕事への希望が戻ってきた。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
「生と死」カテゴリからランダム5
死ねば私の意識はたしかに無となるに違いないが、肉体はこの宇宙という大物質に溶け込んで、存在するのを止めないであろう。私はいつまでも生きるであろう。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
昆虫・虫 の表現の一覧
健康・体調・病気 の表現の一覧
生と死 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ