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時間にして十秒ほどのその鮮明な映像は、前触れもなしにやってくる。予兆もなければ、猶予もない。ノックの音もない。《…略…》無音の津波のように圧倒的に押し寄せてくる。気がついたとき、それはもう彼の目の前に立ちはだかり、手足はすっかり痺れている。時間の流れがいったん止まる。まわりの空気が希薄になり、うまく呼吸ができなくなる。まわりの人々や事物が、すべて自分とは無縁のものと化してしまう。その液体の壁は彼の全身を呑み込んでいく。世界が暗く閉ざされていく感覚があるものの、意識が薄れるわけではない。レールのポイントが切り替えられるだけだ。意識は部分的にはむしろ鋭敏になる。恐怖はない。しかし目を開けていることはできない。まぶたは固く閉じられる。まわりの物音も遠のいていく。そしてそのお馴染みの映像が何度も意識のスクリーンに映し出される。身体のいたるところから汗がふきだしてくる。シャツの脇の下が湿っていくのがわかる。全身が細かく震え始める。鼓動が速く、大きくなる。
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単語の意味
痺れる(しびれる)
馴染む(なじむ)
圧倒(あっとう)
圧倒的(あっとうてき)
予兆(よちょう)
身体(しんたい)
無音(むおん・ぶいん)
痺れる・・・ビリビリとした刺激を感じる。また、感動して感覚的にビリビリと感じて、興奮したり魅了されたりする。
馴染む・・・慣れる。慣れて違和感がなくなる。いい感じに調和する。すっかり親しみを感じるようになる。
圧倒・・・ひときわ優れた力を持っていること。他よりとても勝っていること。また、その力で相手を押さえつけること。
圧倒的・・・他とは比べ物にならないほど優れていること。
予兆・・・何かが起こることを予感させる変化や現象。前触れ。前兆。
身体・・・人のからだ。肉体。
無音・・・1.(「むおん」と読んで)音がしないこと。また、音が一切聞こえないこと。
2.(「ぶいん」と読んで)挨拶するのが適切であるのに、挨拶のないこと。また、しばらく便りをしないこと。音信が途絶えること。(ご)無沙汰(ぶさた)。
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