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年寄りと二人で暮らすというのは、ひどく不安なことだ。《…略…》私は、いつもいつでも「おばあちゃんが死ぬのが」こわかった。《…略…》私は心の中でいつも、たったひとりの家族を気にかけていた。  部屋のすみに息づき、押してくるそのぞっとするような静けさ、子供と年寄りがどんなに陽気に暮らしていても、埋められない空間があることを、私は誰にも教えられなくてもずいぶん早くに感じとった。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:42% 作品を確認(amazon)
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同棲・一緒に暮らす
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前後の文章を含んだ引用
......住む所を見つけるまで、ここで眠らして下さい。」「いいのよ、気なんか使わないで。それよりたまに、おかゆ作って。雄一のより、ずっとおいしい。」 と、彼女は笑った。 年寄りと二人で暮らすというのは、ひどく不安なことだ。元気であればあるほどそうだった。実際に祖母といた時、そんなことは考えたこともなく楽しくやっていたけれど、今振り返るとそう思えてならなかった。 私は、いつもいつでも「おばあちゃんが死ぬのが」こわかった。 私が帰宅すると、TVのある和室から祖母が出てきて、おかえりと言う。遅い時はいつもケーキを買って帰った。外泊でもなんでも、言えば怒らない大らかな祖母だった。時に......<中略>......その日一日のことをなんとなく話した。雄一のことも、この時間に語られたように思う。 どんなに夢中な恋をしていても、どんなに多くお酒を飲んで楽しく酔っぱらっていても私は心の中でいつも、たったひとりの家族を気にかけていた。 部屋のすみに息づき、押してくるそのぞっとするような静けさ、子供と年寄りがどんなに陽気に暮らしていても、埋められない空間があることを、私は誰にも教えられなくてもずいぶん早くに感じとった。 雄一もそうだと思う。 本当に暗く淋しいこの山道の中で、自分も輝くことだけがたったひとつ、やれることだと知ったのは、いくつの時だろうか。愛されて育ったのに、いつ......
単語の意味
陽気(ようき)
陽気・・・1.天候。時候。
2.万物が動き、生まれ出ようとする気。陽の気。
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一人で住むより二人いっしょに住めば、同じ家賃で広く住める
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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