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次の瞬間には、もう鼻を掩う事を忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとくこの男の嗅覚を奪ってしまったからだ。
芥川龍之介 / 羅生門 ページ位置:47% 作品を確認(青空文庫)
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気持ちが高まる・こみ上げる
(夢中になって)我を忘れる
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前後の文章を含んだ引用
......火の光をうけて、低くなっている部分の影を一層暗くしながら、永久に唖 の如く黙っていた。 下人 は、それらの死骸の腐爛 した臭気に思わず、鼻を掩 った。しかし、その手は、次の瞬間には、もう鼻を掩う事を忘れていた。ある強い感情が、ほとんどことごとくこの男の嗅覚を奪ってしまったからだ。 下人の眼は、その時、はじめてその死骸の中に蹲 っている人間を見た。檜皮色 の着物を着た、背の低い、痩 せた、白髪頭 の、猿のような老婆である。その老婆は、右の手に火......
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火のような激情
岡本かの子 / 母子叙情
激情が背中を、がりがり簓(ささら)でこするようにワナワナふるえさせる
室生 犀星 / 舌を噛み切った女 (1957年) amazon
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彼女の貪欲 は甘いものを見た子供のようになって、前後も忘れて
有島武郎 / 或る女
日常生活をでんぐりかえす熱狂だ。忘我に陶酔することだ!
宮本百合子 / 伸子
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この時どうして自分が泣いてしまったのかを考えることがあった。 結局のところ、精神的に酷く不安定だったのだと思うしかなかった。遼と父の死の悲しみだけでなく、帰郷して以来、知らず識らずに募っていた自身の境遇への感傷が、最後のほんの 些細 な数滴のために、表面張力を破って、 溢れ出してしまったかのようだった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
興奮状態にあるのは、湯気が出てもおかしくないほどの彼の熱気でわかった。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り amazon
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