日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

TOP > 人物表現 > 動作・仕草・クセ > 泣く・涙を流す

TOP > 感情表現 > 泣く

女の顔は、噴水のように吹き上げる涙でたちまちびっしょりと濡れてしまった。

伊藤永之介 / 鶯 (1956年)　作品を確認（amazon）

この表現が分類されたカテゴリ

泣く・涙を流す

しおりに登録する

前後の文章を含んだ引用

no data

ここに意味を表示

泣く・涙を流すの表現・描写・類語（動作・仕草・クセのカテゴリ）の一覧ランダム５

泣きじゃくる

関連カテ悲しくて泣く泣く・涙を流す

体中を震わせて泣きました。

遠藤周作「沈黙（新潮文庫）」に収録　amazon

涙は、一筋、二筋、頰を伝って落ちた。涙がこんなにも静かに流れるものだと、僕は知らなかった。

小川洋子 / 一つの歌を分け合う「口笛の上手な白雪姫」に収録　amazon関連カテ泣く・涙を流す泣き顔

瞼から筋を引いて涙がこぼれる

しょっぱい涙が頬の傷に触れ、ひりひりと痛んだ

湊かなえ「花の鎖 (文春文庫)」に収録　amazon

このカテゴリを全部見る

「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム５

まるで柵でもあってそれ以上は近づけないというように、動かずに私へいっぱいに手をさしのべた。

山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録　amazon関連カテ手（腕）を伸ばす不安そうな声

車にはねられた犬のように、よろよろと立ち上がる

小池真理子 / 小池真理子のミスティ―小池真理子短篇ミステリ傑作集〈1〉　amazon

（作品本来の雰囲気や資質を損なわず書き直すことは、）蝶に骨格を与えるのに等しい。

村上春樹 / 1Q84 BOOK 1　amazon

今でも私の心の底にまざまざと残っている一枚がある。それは八号の風景にかかれたもので、軽川（かるがわ）あたりの泥炭地（でいたんち）を写したと覚しい晩秋の風景画だった。荒涼と見渡す限りに連なった地平線の低い葦原（あしはら）を一面におおうた霙雲（みぞれぐも）のすきまから午後の日がかすかに漏れて、それが、草の中からたった二本ひょろひょろと生（お）い伸びた白樺（しらかば）の白い樹皮を力弱く照らしていた。単色を含んで来た筆の穂が不器用に画布にたたきつけられて、そのままけし飛んだような手荒な筆触で、自然の中には決して存在しないと言われる純白の色さえ他の色と練り合わされずに、そのままべとりとなすり付けてあったりしたが、それでもじっと見ていると、そこには作者の鋭敏な色感が存分にうかがわれた。そればかりか、その絵が与える全体の効果にもしっかりとまとまった気分が行き渡っていた。悒鬱（ゆううつ）――十六七の少年には哺（はぐく）めそうもない重い悒鬱を、見る者はすぐ感ずる事ができた。

有島武郎 / 生まれいずる悩み関連カテ美術品・芸術作品絵を描く

ゆっくりとふり返る自分のイメージが頭に浮かぶ。ドラマや映画でよくある、女優の顔が先に振り返って一瞬遅れてから長い髪が顔に追いつく、例のあのスローモーションだ。

綿矢りさ / 勝手にふるえてろ　amazon関連カテ振り向く・後ろを見る心変わり・熱が冷める

「泣く」カテゴリからランダム５

まだ誰かの泣く声がする。おれは縄を解きながら、じっと耳を澄ませて見た。が、その声も気がついて見れば、おれ自身の泣いている声だった

芥川龍之介 / 藪の中

精一杯、冷静に言ったつもりだったのに、声はかすかに震えていたし、視界は早くも滲み始めていて、涙を菜穂子に見せまいとするためにわたしは、『ユリイカ』の狭い店内で後ろを向きながら、かけていたエプロンの紐を結び直すふりをしなければならなかった。

小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録　amazon

娘の目に、みるみるうちに涙がたまる。顔が歪む。

小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録　amazon

感動のあまり涙ぐんだ

宮本百合子 / 伸子関連カテ泣きそう・泣くのを我慢感動による体の反応、リアクション

悠人は、立ったまま下を向くと、到頭、泣き出してしまった。しゃっくりで肩を震わせながら、腕で涙を拭って、必死でそれを堪えようとしていた。

平野啓一郎「ある男」に収録　amazon

同じカテゴリの表現一覧

動作・仕草・クセの表現の一覧　

泣くの表現の一覧　

人物表現大カテゴリ

表現の大区分