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(宵色の湖面が見える場所で)醒 めてまた睡 りに入る意識の手前になり先になりして、明暗の界のも一つの仲間の世界に復一を置く。すると、復一の朦朧とした乾板色の意識が向うの宵色なのか、向うの宵色の景色が復一の意識なのか不明瞭 となり、不明瞭のままに、澱 み定まって、
岡本かの子 / 金魚撩乱 ページ位置:44% 作品を確認(青空文庫)
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ぼんやり・朦朧・ボーっとする
うつらうつら(半分眠ったぼんやり状態)
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前後の文章を含んだ引用
......に、蒼冥 と暮 れた宵色の湖面が覗かれた。宵色の中に当って平沙の渚に、夜になるほど再び捲き起るらしい白浪が、遠近の距離感を外れて、ざーっざーっと鳴る音と共に、復一の醒 めてまた睡 りに入る意識の手前になり先になりして、明暗の界のも一つの仲間の世界に復一を置く。すると、復一の朦朧とした乾板色の意識が向うの宵色なのか、向うの宵色の景色が復一の意識なのか不明瞭 となり、不明瞭のままに、澱 み定まって、そこには何でも自由に望みのものが生れそうな力を孕 んだ楽しい気分が充ちて来た。 復一の何ものにも捉 われない心は、夢うつつに考え始めた――希臘 の神話に出て来る半神半......
単語の意味
朦朧(もうろう)
景色(けしき)
朦朧・・・意識や視界、意味などがハッキリしないさま。ボーっとしていて、クリアでないさま。おぼろげなさま。ぼんやり。
景色・・・風景。眺め。とくに、自然の眺め。
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頭の中は、夢でも見ているかのようにぼんやりと曇っていた。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 amazon
熱湯の中を漂うように、喧騒の中で沈んでいた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
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川が揺れている、とはじめは思った。迂曲している川が横にゆがみ、今にも氾濫を起こしそうに見える。足元がふやけたかのように、風景が震え、そしてそれが、いつもの眩暈であることに気づく。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
この人ったらほんなこと石のようだよ。人間の感情やら何処にあるとかいな
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
うんざりしきるまで頑張ってやる。
宮本百合子 / 伸子
雲を踏むような不安な酔い
安岡 章太郎 / 悪い仲間「ガラスの靴・悪い仲間 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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私は木賃宿の蒲団に静脈を延ばしている
林芙美子 / 新版 放浪記
美代子は眠るときに小さないびきをかく。ゆっくりとしたテンポの、メロディーのない弦楽のような、決して耳障りにはならない音だ。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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