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あたりが少しずつ暗くなっていき、街も、白い壁も、黒い世界にゆっくりとひきずりこまれていく。醜い私の中も、闇に包まれていく。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 ページ位置:79% 作品を確認(amazon)
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みにくい顔
夜
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......。伊吹の黄色いTシャツ、サインペンみたいな細い習字の字、墨汁の匂い、グラウンドの土で汚れたバッグのこと。「すき」と言う文字を書くときだけ、少しだけ指が震えた。 あたりが少しずつ暗くなっていき、街も、白い壁も、黒い世界にゆっくりとひきずりこまれていく。醜い私の中も、闇に包まれていく。かろうじて街灯で見えるノートに、私は吐くように、文字を綴りつづけた。 こんな手紙を書いても、伊吹は、きちんと受け取ってくれるだろう。普通にこれを受け取って、普通......
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みにくい顔の表現・描写・類語(顔のカテゴリ)の一覧 ランダム5
鏡の中の自分を見て、ずっと夜が続けばいいのに、と思った。昼間の世界で光に晒されて生きるには、あまりに貧弱な醜い姿だった。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
彼を誘う性的な牽引力のない(顔)
野間 宏 / 顔の中の赤い月「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
恋というものを生来知らぬげな四十五六の醜い容貌
有島武郎 / 或る女
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山梨の夜は、東京の夜よりもしっとり暗い。
朝井 リョウ / 燃えるスカートのあの子「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
温度が急に下がった気がして、俺は夕陽に目をやる。太陽はいつの間にか雲の後ろに沈んでいる。直射から解放されて、光も影も溶け合って、世界の輪郭がぼんやりと柔らかくなっている。空はまだ輝いていて、しかし地上は淡い影にすっぽりと包まれている。ピンク色の間接光が、周囲に満ちている。 そうだ。こういう時間帯の、呼び名があった。黄昏。誰そ彼。彼は誰。人の輪郭がぼやけて、この世ならざるものに出逢う時間。その古い呼び名。俺は呟く。 ──カタワレ時だ。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
三階の旅館は日覆をいつの間にか外 した。 遠い物干台の赤い張物板ももう見つからなくなった。 町の屋根からは煙。遠い山からは蜩 。
梶井基次郎 / 城のある町にて
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