だんだん夢の中に引き込まれるようなぼんやりした感じに襲われて来た。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:55% 作品を確認(青空文庫)
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ぼんやり・朦朧・ボーっとする
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前後の文章を含んだ引用
......勇ましいかけ声があふれ出て、君の声に応じた。艪は梭 のように波を切り破って激しく働いた。 岸の人たちが呼びおこす声が君たちの耳にもはいるまでになった。と思うと君はだんだん夢の中に引き込まれるようなぼんやりした感じに襲われて来た。 君はもう一度君の父上のほうを見た。父上は舵座にすわっている。しかしその姿は前のように君になんらの迫った感じをひき起こさせなかった。 やがて船底にじゃりじゃ......
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熱病患者のように濁りきった頭
有島武郎 / 或る女
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思いが水のように胸に拡がる
川端 康成 / 掌の小説 amazon
彼はこのとき自分の体の中に一つの大きな奇妙な穴のようなものがあいているのを認めた。そしてその大きな空洞には、細い奥深い肉の襞膜が無数にあって、それがいまは全く乾ききって湿気の当るのを待っている。そして彼はその乾燥した襞膜を、濡らしてやらなければならないのである。《…略…》彼は自分の干された茸のような内部を、しめしてやらなければならない。
野間 宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
息ぐるしい。まるで生きながら、棺桶の蓋をされ、墓穴に吊り降されたようだ。
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
気がつくと無力感が静かに音もなく、水のように部屋に満ちていた。僕はその無力感をかきわけるようにして浴室に行き、「レッド・クレイ」を口笛で吹きながらシャワーを浴び、台所に立って缶ビールを飲んだ。そして目を閉じてスペイン語で一から十まで数え、声を出して「おしまい」と言って、手をぱんと叩いた。それで無力感は風に吹き飛ばされるようにさっと消えた。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
自信がなくなると、人間はぼろくずのようになってしまう。
林芙美子 / 新版 放浪記
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