(店内で二人の沈黙が続いて、)音楽が消えると、人々の話し声が奇妙な硬質さを帯びたように感じられた。それは漠然とした硬質さだった。実体が柔らかいのに、存在の状況が硬質なのだ。そばに来るまではとても固そうに見える。でも体に当たると柔らかく砕けてしまう。それは波のように僕の意識を打っていた。ゆっくりとやってきて意識を打ち、そしてひいていった。それが何度も何度も繰り返された。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
黙る・沈黙
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
no data
ここに意味を表示
黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
二人で並んでテレビが点いてるのをぼーと眺めながら、そして黙ってるのやが、なんとなくそれが普通に黙ってる以上に黙ってる感じがどうしてもしてきて、黙りがうるさいというか突き刺さるというか黙りが笑いかけてくるというか
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
医師は、無口だった。が気まずい感じではなかったので、わたしも無理に話題を探そうとしなかった。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
おたがいどちらかが話を切り出すのを待つ
浅田次郎 / うらぼんえ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「声・口調」カテゴリからランダム5
見かけによらない猫撫声
芥川龍之介 / 運
ふたつの肺いっぱいの息を使いきるまで喚いた。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
声・口調 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ
感覚表現 大カテゴリ
人物表現 大カテゴリ