葉子の鼻の先に自分の顔を突き出してお壺口 をした。葉子もいたずららしく周囲に目を配ってその顔を両手にはさみながら自分の口びるを与えてやった。
有島武郎 / 或る女(後編) ページ位置:22% 作品を確認(青空文庫)
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キス・口づけ
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前後の文章を含んだ引用
......れると苔香園のほうをうかがったり、台所のほうに気を配ったりしておいて、大急ぎで葉子のいる所に寄って来た。そして泥 になった手を後ろに回して、上体を前に折り曲げて、葉子の鼻の先に自分の顔を突き出してお壺口 をした。葉子もいたずららしく周囲に目を配ってその顔を両手にはさみながら自分の口びるを与えてやった。倉地は勇み立つようにしてまた土の上にしゃがみこんだ。 倉地はこうして一日働き続けた。日がかげるころになって葉子も一緒に庭に出てみた。ただ乱暴な、しょう事なしのい......
単語の意味
鼻の先(はなのさき)
御壺口・御壷口
御壺口・御壷口・・・小さくかわいい口。小さくつぼんだ口つき。おちょぼ口。
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舌が口の中にすっぽりと収まるようなキス
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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私は女を抱いた。他になにが出来るだろう。 しかし、女は身を固くし、 抗いはしなかったが、灯りを消して私に近づいたのは自分ではないといいたがっているように動かなかった。 細い肩を抱き、その髪に手を触れた。 急がなかった。女の胸の深い芯のようなところに熱いものがあり、それがゆっくり 熔けて行くという気がした。 額に唇を寄せ、 頰 に移し、ややのけぞらせて首に舌を触れた。耳にも触れた。 無言の時がすぎ、女は深く息をついた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
二人は口をきくこともなく、暗闇の中で時間をかけてお互いの身体を調べ合う。十本の指と手のひらを使って、何がどこにあって、どんなかたちをしているかをひとつずつ確かめる。秘密の部屋で宝探しをしている小さな子供たちのように、胸をときめかせながら。そしてひとつの存在を確かめると、そこに唇をつけて認証の封印を与える。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
(恋人が同棲中の部屋から出て行って自分ペースの生活に戻り)軌道にもどった僕はまた宇宙のなか一つだけうかぶ恒星。
綿矢 りさ / 自然に、とてもスムーズに「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
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