(水枕)耳の下で水枕がプカンプカンと音を立てている。《…略…》頭を動かすたびに、なまぬくい水がふなべりを叩く波のように鼓膜に伝わってくる。
向田 邦子 / 耳「思い出トランプ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:0% 作品を確認(amazon)
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患者・病人・けが人
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耳 耳の下で水枕がプカンプカンと音を立てている。 氷は疾うに解けている。 頭を動かすたびに、なまぬくい水がふなべりを叩く波のように鼓膜に伝わってくる。 熱は下ったらしい。 今から出勤すれば午後の会議に間に合うと判っているが、楠は休むつもりでいる。一年に一日ぐらい欠勤するのも悪くない。無遅刻無欠勤は、ひと昔前なら出世の近道だったが、いまは融通の利かない上役と馬鹿にされたりする。 日向臭い水枕のゴムの匂いを嗅いでいると、五十面下げてなにかに甘ったれたいような、わざと......
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エジプトのミイラのように、両脚に厚い繃帯を施されて、身動きもできない
獅子文六 / 沙羅乙女
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(薄っぺらい)一品料理のように一目でもってその内容がわかってしまうような、そんな心の貧しい浅い痩せた「三流」の女たち
高見 順 / 如何なる星の下に amazon
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生理的な感覚の問題かもしれませんけど。心を病んでしまった人間と暮らすっていうことは、無脳症の胎児のホルマリン漬けを食卓の真ん中に置いて食事するようなものなんです。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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