コロッケパンの特長は、コロッケの柔らかさがパンの柔らかさ同調しているところにある。コロッケパンの同類にハムカツサンドがあるが、ハムカツはパンと同調しない。噛んでいくと、ハムカツのところで歯の動きがいったん止まる。コロッケパンは、噛んでいくといつのまにか歯がコロッケを通過している。そして、口の中がいつのまにかパンとコロッケとソースが混じりあった味になる。混じりあった瞬間、なんだかとても楽しい気分になる。
東海林さだお / コロッケの丸かじり 作品を確認(amazon)
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パン
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パンの味、おいしさを伝える表現・描写(パン・お餅のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(フレンチトースト)フレンチトーストをつくってみるのもよいと思う。 牛乳と卵を吸ってふかふかになったパンが、黄金色に焼き上っていて、甘くてちょっとバタくさくておいしいものだ。甘党の人には蜜またはジャムをそえて出せばよろこばれる。 この場合は、むしろスープなどより、紅茶かミルクをそえて出す方がぴったりしている。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
紫色のあんのはいった甘いパン
林芙美子 / 新版 放浪記
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パンの中で、一番真面目なパンはどれか。 それはまちがいなく食パンである。 身辺を飾ることなく、虚飾を排し、自らは語らず、無欲恬澹、媚びず、へつらわず、ただこげ茶色に日焼けして静かに端座している。 その風貌は、まさにパン界の実直代表といえる。 他のもろもろのパンたちの、小賢しい小細工、おもねり、目立とう精神を一蹴して、威風堂々、自信に満ちあふれている。 奇をてらわぬ実質本位のその形からも、真面目ひとすじ、朴訥、愚直ともいえる生き方が感じられる。 〝食パン〟という名前もいい。 面白くもなんともないところがいい。 食パンの〝食〟は、主食の食である。 「箱形の型を使って焼いた主食用のパン」と広辞苑に出ている。 主食を担っている、という自信が、小賢しい細工を放棄させているのかもしれない。
東海林 さだお「タコの丸かじり (文春文庫)」に収録 amazon
そのパンを食べたらぽそぽそしていて、いつまで噛んでも味があまりしてこない。お茶でやっと飲み込んだ。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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