三月は春ながらまだ底冷えが残っている。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:98% 作品を確認(青空文庫)
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晩冬・春先
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前後の文章を含んだ引用
......低く外れて海の上を渡り、また高く上って、星影に紛れ込んで見えなくなった。 私はいま再び東京日本橋箱崎川の水に沿った堺屋のもとの私の部屋にいる。日本の冬も去って、三月は春ながらまだ底冷えが残っている。河には船が相変らず頻繁に通り、向河岸の稲荷 の社には、玩具 の鉄兜 を冠 った可愛 ゆい子供たちが戦ごっこをしている。 その後の経過を述べるとこうである。 私は遮二無二新 ......
単語の意味
底冷え(そこびえ)
底冷え・・・体の芯まで冷え込むこと。また、そのようなきびしい寒さ。特に、寒い日の放射冷却や室内における空気の循環の悪さのために、冷たい空気が地面や床にたまり、足元から全身が冷えることをいう。
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晩冬・春先の表現・描写・類語(春のカテゴリ)の一覧 ランダム5
もう四月が来ると云うのに、雪でも降りそうなこの寒い空
林芙美子 / 新版 放浪記
春が来ていた。 コートを着る回数が減ってゆくのと同じ速さで、空気が暖かくなっていく。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「春」カテゴリからランダム5
東京ではもう桜も木蓮も散り、楓が若葉を拡げはじめていた。
宮本百合子 / 伸子
生温かい風が光を揺らせる。まるで木々の間を群れとなって移ろう鳥のように、空気がゆっくりと流れる。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
境内の樟(くすのき)が、若葉の季節には、緑という黄金色に輝いて、初夏の空の蒼(あお)によく映える
永井 路子 / うたかたの amazon
「冬」カテゴリからランダム5
寒さをかすかな光にしたような雲のない空が、息もつかずに、凝然として延び広がっていた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
この季節になると長く地の上を領していた冬が老いる。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
雪が深かった正月ごろ
吉川英治 / 銀河まつり
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