見はらしとしては素晴しいものだったが、どれだけ眺めていても楽しい気分にはなれなかった。全てがよそよそしく、そしてどこかしら異教的だった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:76% 作品を確認(amazon)
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見下ろした風景
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前後の文章を含んだ引用
......には紅葉に彩られた低い山なみが波うちながら連なり、その彼方には平野部がぼんやりとかすんで見えた。刈り入れが終ったあとの稲を焼く煙がそこに幾筋か立ちのぼっていた。見はらしとしては素晴しいものだったが、どれだけ眺めていても楽しい気分にはなれなかった。全てがよそよそしく、そしてどこかしら異教的だった。 空は湿っぽい灰色の雲にすっぽりと覆われていた。それは雲というよりは均一な布地のように見えた。その下を黒い雲の塊りが低く流れていた。手をのばせば指先が触れそうな......
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見下ろした風景の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
なだらかな丘陵地帯に広がるニュータウンを上から眺め渡すと、団地の建物や一戸建ての家屋は、丘の表面に貼りつけただけのように見える。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
崖下の町が一と目に見渡せた。
梶井基次郎 / ある崖上の感情
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関東山地の山々が雲をかぶって、髪を振り乱した女のように
大岡 昇平 / 武蔵野夫人 amazon
ひろびろと果しない平野のそちこちにしたたるような緑のかたまりが、ぽたりぽたりと青絵具でぬりつぶしたカンバスの上に、更に青さを落したように、惜し気もなく豊かな色をかさねているのであった。
森田 たま / もめん随筆〈続〉 amazon
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