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(ピンボールの擬人化)彼女は素晴しかった。3フリッパーの「スペースシップ」……、僕だけが彼女を理解し、彼女だけが僕を理解した。僕がプレイ・ボタンを押すたびに彼女は小気味の良い音を立ててボードに六個のゼロをはじき出し、それから僕に微笑みかけた。《…略…》ボールが彼女のフィールドを駆けめぐるあいだ、僕の心はちょうど良質のハッシシを吸う時のようにどこまでも解き放たれた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:63% 作品を確認(amazon)
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快感・心地いい・快い
深みにはまる・病みつき・のめり込む
集中する・夢中になる
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前後の文章を含んだ引用
......と震えながらビールを飲んだ。ビールの最後の一口はいつも鉛のような味がした。そして煙草の吸殻を足もとにまきちらし、ポケットにつっこんだホット・ドッグをかじった。 彼女は素晴しかった。3フリッパーの「スペースシップ」……、僕だけが彼女を理解し、彼女だけが僕を理解した。僕がプレイ・ボタンを押すたびに彼女は小気味の良い音を立ててボードに六個のゼロをはじき出し、それから僕に微笑みかけた。僕は一ミリの狂いもない位置にプランジャーを引き、キラキラと光る銀色のボールをレーンからフィールドにはじき出す。ボールが彼女のフィールドを駆けめぐるあいだ、僕の心はちょうど良質のハッシシを吸う時のようにどこまでも解き放たれた。 様々な想いが僕の頭に脈絡もなく浮かんでは消えていった。様々な人の姿がフィールドを被ったガラス板の上に浮かんでは消えた。ガラス板は夢を映し出す二重の鏡のように僕......
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快感・心地いい・快いの表現・描写・類語(喜びのカテゴリ)の一覧 ランダム5
精神にシャワーを浴びているような快さ
中村 真一郎 / 夜半楽 amazon
ぞくりと快感がこみ上げた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
全身がわき立つような快感をおぼえた。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
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深みにはまる・病みつき・のめり込むの表現・描写・類語(好きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(嵌り込んだら抜けられない)嵌り込んだら最後、まるで飴 にかかった蟻のようになる
岡本かの子 / 東海道五十三次
詩を書いている時だけが夢中の世界。
林芙美子 / 新版 放浪記
その時の私ののめり込みかたは、はたから見たら気味が悪いほどだっただろう。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
(プールに)取りつかれたように夢中に通いつめていた。泳ぐのが楽しくて仕方なかった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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集中する・夢中になるの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
物事にふけりやすい葉子は身も魂も打ち込んでその仕事に夢中になった。
有島武郎 / 或る女
画を描いている時は、自分の周りの時間だけが進んでいて、描き終わったその瞬間に過ぎ去っていた分の時間をぐんと飛び越える気がする。
朝井 リョウ / 僕は魔法が使えない「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
あたりには目もやらずに熱心にその詩稿を読み出しました。
芥川龍之介 / 河童
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喜びを心で感じるときの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
心があでやかな思いに吸い込まれる
梅本 育子 / 桃色月夜 amazon
一九一八年の冬は、民衆の心の上では春であった。
宮本百合子 / 伸子
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「心」の言葉を含む好きの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
遠い昔のような、心もちがする。
芥川龍之介 / 偸盗
その年寄りは、珍しい 玩具 を与えられた幼児のように好奇心とやさしい笑いをうかべて自分を見ていた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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庭鳥(にわとり)のようにばたばたする
井伏 鱒二 / 多甚古村 amazon
明け方から大きないびきをかき始めて、それから一度も目を開かない
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
「好き」カテゴリからランダム5
目の前に桃色の瑞雲たなびく気分に到達する
宮尾 登美子 / 楊梅(やまもも)の熟れる頃 amazon
「喜び」カテゴリからランダム5
笑うと、空気が震えるような感じの笑顔だった。鼻に少ししわを寄せて。何か甘い秘密を隠しているような。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
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