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初め、皆は便所へ行くのを嫌った。隣りで泣きわめく声が、とても聞いていられなかった。二日目にはその声がかすれて、ヒエ、ヒエしていた。そして、そのわめきが間を置くようになった。その日の終り頃に、仕事を終った漁夫が、気掛りで直 ぐ便所のところへ行ったが、もうドアーを内側から叩 きつける音もしていなかった。こっちから合図をしても、それが返って来なかった。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:24% 作品を確認(青空文庫)
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体力の低下・体が衰える・衰弱
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前後の文章を含んだ引用
......分るか」バットを二個手に入れた漁夫はうまそうに飲んでいた。 雑夫は監督にシャツ一枚にされると、二つあるうちの一つの方の便所に押し込まれて、表から錠を下ろされた。初め、皆は便所へ行くのを嫌った。隣りで泣きわめく声が、とても聞いていられなかった。二日目にはその声がかすれて、ヒエ、ヒエしていた。そして、そのわめきが間を置くようになった。その日の終り頃に、仕事を終った漁夫が、気掛りで直 ぐ便所のところへ行ったが、もうドアーを内側から叩 きつける音もしていなかった。こっちから合図をしても、それが返って来なかった。――その遅く、睾隠 しに片手をもたれかけて、便所紙の箱に頭を入れ、うつぶせに倒れていた宮口が、出されてきた。唇の色が青インキをつけたように、ハッキリ死んでいた。 朝......
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体力の低下・体が衰える・衰弱の表現・描写・類語(健康・体調・病気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
彼はだんだん衰えて行った。ちょうど昔スウイフトの見た、木末(こずえ)から枯れて来る立ち木のように。
芥川 龍之介 / 或阿呆の一生「河童・或阿呆の一生 (新潮文庫)」に収録 amazon
病は苦悩の多く強いものではなかったが、美しい花の日に瓶中(へいちゅう)に萎れゆくがごとく、清らかな瓜(うり)の筐裏(きょうり)に護られながらようやく玉の艶を失って行くように、次第次第衰え弱った。
幸田 露伴 / 連環記 amazon
父親が枯れ枝のように衰えていく
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 amazon
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