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どこか静かだった。葉を揺らす風も鳥の声も俺の息づかいも、森を形づくる何百年ぶんもの年輪に吸いこまれていくみたいだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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静けさ・静寂 森林・ジャングル
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......ギかイタチか、茂みを揺らして逃げていく気配もした。夜の山は音にあふれている。木も鳥も動物も、侵入者である俺たちの動向をじっとうかがっているのがわかる。 だけど、どこか静かだった。葉を揺らす風も鳥の声も俺の息づかいも、森を形づくる何百年ぶんもの年輪に吸いこまれていくみたいだ。 一時間ほども斜面を登りつづけ、体は汗ばんでるのに震えが来た。肉体と魂が粉々になって、森の養分になっちゃいそうだ。自分がだれで、どこにいて、なにを目指せばいいの......
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