どこか静かだった。葉を揺らす風も鳥の声も俺の息づかいも、森を形づくる何百年ぶんもの年輪に吸いこまれていくみたいだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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静けさ・静寂
森林・ジャングル
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......ギかイタチか、茂みを揺らして逃げていく気配もした。夜の山は音にあふれている。木も鳥も動物も、侵入者である俺たちの動向をじっとうかがっているのがわかる。 だけど、どこか静かだった。葉を揺らす風も鳥の声も俺の息づかいも、森を形づくる何百年ぶんもの年輪に吸いこまれていくみたいだ。 一時間ほども斜面を登りつづけ、体は汗ばんでるのに震えが来た。肉体と魂が粉々になって、森の養分になっちゃいそうだ。自分がだれで、どこにいて、なにを目指せばいいの......
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身が竦むほど静かなまま
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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森林・ジャングルの表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
もくもくして来た緑の群落
梶井基次郎 / 路上
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木々がざざあっと揺れた。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
「誰だ?」上を見上げた。――それが「誰だ――誰だ、――誰だ」と三つ位に響きかえって行く。
小林多喜二 / 蟹工船
坂道を降り切ると、川瀬の音が一斉に立ち上ってきた
井上靖 / あすなろ物語 amazon
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地平線の上へ指の尖 きを並べたようなアルプス連山
岡本かの子 / 巴里祭
京都も、年毎に東京と大阪へ近づきつつある。国籍不明の風俗と建物が山や川を押し退け、古い都の名残りをとどめる唯一の町を侵蝕しはじめてきた。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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