抑揚の少ない、把みどころのない声
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:32% 作品を確認(amazon)
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感情や抑揚のない声
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前後の文章を含んだ引用
......て五分後にもう一度鳴り始めた。僕はうんざりした気分でパジャマの上にカーディガンを羽織り、ドアを開けて電話を取った。「……は居りますでしょうか?」と男の声がした。抑揚の少ない、把みどころのない声であった。僕は生返事をして階段をゆっくり上り、彼女のドアをノックした。「電話ですよ」「……どうも」 僕は部屋に戻り、ベッドの上にあお向けになったまま天井を眺めた......
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感情や抑揚のない声の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
男の声から年齢や風貌や体格を推し量るのはむずかしかった。具体的な手がかりを欠いた声なのだ。電話を切ったとたんにどんな声だったか思い出せなくなってしまいそうだ。個性や感情は奥にしまい込まれている。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
相手の声には怒りも恨みがましさもこもっていなかった。そこに含まれているのは何か違う種類のものだった。個人的な感情というよりは、客観的な情景のようなものだ。たとえば見捨てられて荒れ果てた庭とか、大きな洪水のあとの河川敷とか、そんな情景だ。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
感情を押し殺すように言い
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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一語一語を慎重に息でくるむような言い方
小川 洋子 / 余白の愛 amazon
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