じっとすわったままではいられないような寂寥 の念がまっ暗に胸中に広がった。 君はそっと座を立った。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:92% 作品を確認(青空文庫)
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とてもさびしい
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前後の文章を含んだ引用
......っかり奪われていて、無味な繊維のかたまりのような触覚だけが冷たく舌に伝わって来る。 君の目からは突然、君自身にも思いもかけなかった熱い涙がほろほろとあふれ出た。じっとすわったままではいられないような寂寥 の念がまっ暗に胸中に広がった。 君はそっと座を立った。そして弁当を元どおりに包んで腰にさげ、スケッチ帳をふところにねじこむと、こそこそと入り口に行って長靴 をはいた。靴の皮は夕方の寒さに凍 って、鉄板のように堅く冷た......
単語の意味
寂寥(せきりょう)
胸中(きょうちゅう)
寂寥・・・人気がなくて、寂しい感じ。心が満たされず寂しい感じ。寂寞。
胸中・・・胸の中。胸のうち。心の中。心に思っていること。
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