(大病で)床についてから、自分を最も不幸な境遇に陥った者らしく取扱って、陰惨に聖書をひねくる
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:82% 作品を確認(青空文庫)
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患者・病人・けが人
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前後の文章を含んだ引用
......伸子の胸に湧いた。慢性腎臓炎にかかっても、佃はやはり聖書を片手に、このような表情をするであろうか? 日本へかえってからは、平常聖書など読まず日を送っていた佃が、床についてから、自分を最も不幸な境遇に陥った者らしく取扱って、陰惨に聖書をひねくるのが、伸子には、惨めなような、恥かしいような堪らない心持なのであった。伸子は、自分の感情を制し、何も見なかったようにスープをすすめた。 「さ、熱いうちに召上れな。......
単語の意味
陰惨(いんさん)
陰惨・・・陰湿で惨(むご)い。陰気(=くらい感じ)で惨(むご)たらしい(=残酷である)さま。見るに耐えないほど痛ましいさま。
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