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死ぬことを考えると、だれだって気が滅入るであろう。  しかし、人間というものは実によくできている。  死ぬときのことを考えていた翌朝、あたたかい飯と、熱い味噌汁と、好物の焼海苔を口に入れた瞬間に、 「生きていることの幸福」  を感じるように、できているからだ。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:4% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......てもはじまらぬ自分の死のことを考える。これは二十代で終戦を迎えてから、ずっとそうだ。「よく、それで生きていられるねえ」 と、知人が私にいった。 まことにそうだ。死ぬことを考えると、だれだって気が滅入るであろう。 しかし、人間というものは実によくできている。 死ぬときのことを考えていた翌朝、あたたかい飯と、熱い味噌汁と、好物の焼海苔を口に入れた瞬間に、「生きていることの幸福」 を感じるように、できているからだ。 このごろ、老いた母が家人にこういったそうだ。「死ぬときは、ぽっくり死にたいから、私はうんと好きなものを食べて、うんと肥って、それで心臓を圧迫しておくのよ」 朝......
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熱い(あつい)
熱い・・・1.温度が高いと感じる。
2.気持ちが高まった状態である。関心を寄せている。「今B級グルメが熱い」
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むしゃむしゃ馬みたいに食べたい
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon関連カテ食べる大食い・大食漢
馬のように大きい、白い歯が堅い菜を嚙みくだく。
阿刀田 高 / 白い歯「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon関連カテ歯並び・歯の形食べる
口は嘴みたいに尖り、もうイカに向かって開いている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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君の心は妙にしんと底冷えがしたようにとげとげしく澄み切って、君の目に映る外界の姿は突然全く表情を失ってしまって、固い、冷たい、無慈悲な物の積み重なりに過ぎなかった。無際限なただ一つの荒廃――その中に君だけが呼吸を続けている、それがたまらぬほどさびしく恐ろしい事に思いなされる荒廃が君の上下四方に広がっている。波の音も星のまたたきも、夢の中の出来事のように、君の知覚の遠い遠い末梢まっしょうに、感ぜられるともなく感ぜられるばかりだった。すべての現象がてんでんばらばらに互いの連絡なく散らばってしまった。その中で君の心だけが張りつめて死のほうへとじりじり深まって行こうとした。重錘おもりをかけて深い井戸に投げ込まれた灯明のように、深みに行くほど、君の心は光を増しながら、感じを強めながら、最後には死というその冷たい水の表面に消えてしまおうとしているのだ。  君の頭がしびれて行くのか、世界がしびれて行くのか、ほんとうにわからなかった。恐ろしい境界に臨んでいるのだと幾度も自分をいましめながら、君は平気な気持ちでとてつもないのんきな事を考えたりしていた。そして君は夜のふけて行くのも、寒さの募るのも忘れてしまって、そろそろと山鼻のほうへ歩いて行った。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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