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(風呂の中で音楽を聴きながら考える)意識の半分を空っぽにして休ませ、残りの半分で考え事をした。そしてダヴィッド・オイストラフの演奏するシベリウスの音楽は、主にその空っぽの領域を通り過ぎていった。そよ風のように広く開け放たれた入り口から入り、広く開け放たれた出口から出ていった。音楽の聴き方としてはあまりほめられたものではないかもしれない。《…略…》音楽を右から左に聴き流しながら、意識の空っぽではない方の半分でとりとめもなく思考を巡らせた。そういうとき、彼は対象を限定することなくものを考えるのが好きだった。犬たちを広大な野原に放つように、意識を自由に駆けめぐらせるのだ。どこでも好きなところに行って、なんでも好きなことをしてくればいいと彼らに言って、あとは放っておく。彼自身は首まで湯につかり、目を細め、音楽を聴くともなく聴きながらぼんやりとしている。犬たちがあてもなくはねまわり、坂道を転げまわり、飽きることなく互いを追いかけ合い、リスをみつけて無益な追跡をし、泥だらけになり草だらけになり、遊び疲れて戻ってくると、牛河はその頭を撫で、また首輪をつける。その頃には音楽も終わっている。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 作品を確認(amazon)
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単語の意味
犬・狗(いぬ)
栗鼠(りす)
犬・狗・・・1.イヌ科の哺乳動物。大昔から人間に飼育されてきた家畜。従順で賢く、家やヒツジの番をしたり、犯人捜査や目や耳の不自由な人の導いたりもできる。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
栗鼠・・・リス科のげっ歯類の総称。森林にすむ小動物。夏毛は赤褐色、冬毛は黄褐色で、腹は白い。長くふさふさした尾を持つ。主に木の上で活動し、木の実や木の葉、昆虫などを食べる。木鼠(きねずみ)。
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聴く・耳を傾けるの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
耳だけ寄せた。目と赤ペンは原稿から離れない。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
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頭を空にする・考えないの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
風はない。探り針のように空中に巡らされたケヤキの暗い枝は微動だにしない。世界は見事に静止している。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
(悟りを開く)煩悩を解脱してシミひとつない白紙の脳裏
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
海を眺めているときと同じ作用が脳細胞に普及する
島尾 敏雄 / 島尾敏雄 amazon
頭脳(あたま)が水薬の空き瓶みたいになる
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
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考える・頭を回転させるの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
私はほんのしばらく宮本さんにシンクロしたつもりになって、宮本さんの人生について考えていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
都久井は、えもいえぬ陶酔感に陥っていた。美事な欺瞞を成し遂げた相手への憧憬といったらその感情は当るだろうか。精緻な陥穽にすっぽりはまりこんだときの爽やかな意識でもあった。
松本 清張 / 美の虚像「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
考えると頭が老化しなくていい
村上春樹 / ファミリー・アフェア「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
「音の響き」カテゴリからランダム5
曲が終わると再びざわめきが起こったがそれはステージの外のもう一つの楽器のように自然なものだった。
村上 龍 / 恋はいつも未知なもの amazon
不快な気持ちが残っているのか、撥はびんびんするし、節回しも声もおもしろくない
幸田文 / 流れる amazon
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