S・Kとは木村貞一のイニシャルで、そのトランクは木村の父が欧米を漫遊した時使ったものなのだ。その古い色を見ると、木村の父の太 っ腹 な鋭い性格と、波瀾 の多い生涯 の極印 がすわっているように見えた。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:16% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......月の頭文字 Y・Sと書いてくれと折り入って葉子の頼んだのを笑いながら退けて、葉子・木村の頭文字Y・Kと書く前に、S・Kとある字をナイフの先で丁寧に削ったのだった。S・Kとは木村貞一のイニシャルで、そのトランクは木村の父が欧米を漫遊した時使ったものなのだ。その古い色を見ると、木村の父の太 っ腹 な鋭い性格と、波瀾 の多い生涯 の極印 がすわっているように見えた。木村はそれを葉子の用にと残して行ったのだった。木村の面影はふと葉子の頭の中を抜けて通った。空想で木村を描く事は、木村と顔を見合わす時ほどの厭 わしい思いを葉子に起......
単語の意味
欧米(おうべい)
太っ腹(ふとっぱら)
腹(はら)
欧米・・・ヨーロッパ(欧)とアメリカ(米)。西洋のこと。
太っ腹・・・1.太った腹。太腹(ふとばら・ふとはら)。
2.度量の大きいこと。大胆で、物事に動じないこと。また、そのさまや、その人。太腹(ふとばら・ふとはら)。
2.度量の大きいこと。大胆で、物事に動じないこと。また、そのさまや、その人。太腹(ふとばら・ふとはら)。
腹・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
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