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あぶら蝉があつさをかきたてるように鳴いている

阿川弘之 / 雲の墓標　作品を確認（amazon）

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夏蝉（せみ）

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単語の意味

蝉・蟬（せみ）

蝉・蟬・・・１．セミ科の昆虫を総称。夏に鳴く虫の代表。羽を畳んで木に止まり、雄は高い声で鳴きたてる。幼虫は数年かかって成虫になるが、成虫の寿命は10日から20日と短い。
２．高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。

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夏の表現・描写・類語（夏のカテゴリ）の一覧ランダム５

狭い商店街の通りには天幕がずっと張り渡されて、昏（くら）い涼しい影をつくっていた。

林芙美子 / 新版　放浪記関連カテ夏商店街・アーケード

「夏だ」それはとても眩しい、いかにもの夏だったのだろう

伊坂幸太郎 / オーデュボンの祈り　amazon

荒れた桜の森にかまびすしく油蝉あぶらぜみの鳴く、真夏の午後

浅田次郎 / 悪魔「鉄道員（ぽっぽや） (集英社文庫)」に収録　amazon関連カテ夏蝉（せみ）

蒼空（あおぞら）は培養硝子（ばいようガラス）を上から冠（かぶ）せたように張り切ったまま、温気（うんき）を籠（こも）らせ、界隈（かいわい）一面の青蘆（あおあし）の洲（す）はところどころ弱々しく戦（おのの）いている。ほんの局部的な風である。大たい鬱結（うっけつ）した暑気の天地だ。

岡本かの子 / 渾沌未分

ショッキングピンクのＴシャツに、短パン、素足に革のサンダルというご機嫌ないでたちでお金をおろしに出かけた。こんな格好で町に出られるめでたい季節は夏だけだ。薄いビニールのバッグに、さいふひとつ入れて歩いていた。

吉本ばなな「N・P (角川文庫)」に収録　amazon

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蝉（せみ）の表現・描写・類語（昆虫・虫のカテゴリ）の一覧ランダム５

庭の木で蜩が鳴いている。　夏の終わりが近い。

あさのあつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録　amazon関連カテ蝉（せみ）晩夏・夏の終わり

蟬が雨降りみたいに鳴きまくり

川上未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録　amazon

鼻のつまったようなみんみん蝉の声

長塚節 / 土　amazon

（セミの鳴き声が）三重四重、五重にも六重にも重なって鳴いている。

梶井基次郎 / 城のある町にて

（蝉の）羽全体が植物の芽生えに髣髴（ほうふつ）していた。

佐藤春夫 / 田園の憂鬱　amazon

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「夏」カテゴリからランダム５

真夏へ真夏へと潮のように光の波を加えてゆく空の色

中山義秀 / 醜の花「厚物咲・碑―他六篇 (1956年) (角川文庫)」に収録　amazon

花火という怪美な火の魔術

吉川英治 / 銀河まつり

ぎらぎら照りつける陽は私たちの尻の下のコンクリをあたため、すべてに真っ白く反射していた。

吉本ばなな「N・P (角川文庫)」に収録　amazon

七月の太陽が、溶けた水銀のように輝く

阿部公房 / 第四間氷期　amazon

六月の林の梢が湯船に映りこむ昼過ぎの静かさ

川端康成 / 掌の小説　amazon関連カテ静けさ・静寂夏

「昆虫・虫」カテゴリからランダム５

（ミツバチたちは）風にながされる花びらのように、クラリネットからながれていく音楽にのって、フワーッとながれていった。

庄野英二 / 星の牧場　amazon関連カテ笛・管楽器・吹奏楽器蜂（はち）

一枚の朽ち葉みたいになった蛾の死骸

堀辰雄 / 風立ちぬ　amazon

（ひぐらし）カナカナカナカナ　美しいから物悲しい声が、あたしたちの上に降り注いでくる。《…略…》夏の盛りが、秋のとば口なのだと告げる鳴き声だ。

あさのあつこ「ガールズ・ブルー〈2〉 (文春文庫)」に収録　amazon

この瀬にはことにたくさんの河鹿がいた。その声は瀬をどよもして響いていた。遠くの方から風の渡るように響いて来る。それは近くの瀬の波頭の間から高まって来て、眼の下の一団で高潮に達しる。その伝播（でんぱ）は微妙で、絶えず湧（わ）き起り絶えず揺れ動く一つのまぼろしを見るようである。

梶井基次郎 / 交尾関連カテ川蛙（かえる）鳴り響く・轟く虫の音

カメ虫はいずれも死んだともみえぬ姿で、かえってこれが永遠のいのちだといわんばかりに干からびて

森敦 / 月山　amazon関連カテ死人・遺体その他の虫

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