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夥しい光の粒が 一斉 にまとわりついて、それが胸元やスカートの裾から中に押し寄せてくるのだった。白い 肌 が光りながらぼっと浮かびあがった。《…略…》螢の大群はざあざあと音をたてて波打った。それが螢なのかせせらぎの音なのか竜夫にはもう区別がつかなかった。このどこから雲集してきたのか見当もつかない何万何十万もの螢たちは、じつはいま英子の体の奥深くから絶え間なく生み出されているもののように竜夫には思われてくるのだった。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 ページ位置:93% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......あげて身をくねらせた。「竜っちゃん、見たらいややァ……」 半泣きになって英子はスカートの裾を両手でもちあげた。そしてぱたぱたとあおった。「あっち向いとってェ」 夥しい光の粒が一斉にまとわりついて、それが胸元やスカートの裾から中に押し寄せてくるのだった。白い肌が光りながらぼっと浮かびあがった。竜夫は息を詰めてそんな英子を見ていた。 螢の大群はざあざあと音をたてて波打った。それが螢なのかせせらぎの音なのか竜夫にはもう区別がつかなかった。このどこから雲集してきたのか見当もつかない何万何十万もの螢たちは、じつはいま英子の体の奥深くから絶え間なく生み出されているもののように竜夫には思われてくるのだった。 螢は風に乗って千代と銀蔵の傍にも吹き流されてきた。「ああ、このまま眠ってしまいたいがや」 銀蔵は草叢に長々と横たわってそうつぶやいた。「……これで終わりじゃあ......
単語の意味
夥しい(おびただしい)
細流(せせらぎ)
体(からだ)
胸元・胸許(むなもと)
夥しい・・・(量や数が)非常にたくさん。程度がひどい。
細流・・・細(ささ)やかに流れる水の音。海や川の浅い場所を流れる水の音。さらさらと流れる水の音。また、その流れ。
・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
胸元・胸許・・・胸の元・許(=付け根)。胸のあたり。胸先・胸前(むなさき)。
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螢の大群が、 絢爛 たるおとぎ絵となって、
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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