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そして五日めと六日めが過ぎ去り、十月がどっかりと街に腰を下ろした。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:56% 作品を確認(amazon)
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季節の変わり目、移り変わり
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前後の文章を含んだ引用
......かった。一人の老人は戦争前に南樺太でこんな山を見た覚えがあるといったが、鼠が樺太まで行ったとは僕には思えなかった。樺太から東京まで速達が出せるわけがないのだ。 そして五日めと六日めが過ぎ去り、十月がどっかりと街に腰を下ろした。日差しこそ暖かったが風は心もち冷たくなり、夕方になると僕は薄い綿のウィンド・ブレーカーを着こんだ。札幌の街は広く、うんざりするほど直線的だった。僕はそれまで直線......
単語の意味
腰(こし)
腰・・・1.胴体の下の方の部分で、上体と下肢(かし)をつなぐ部分。座る姿勢をとったとき、骨盤あたりの折り曲がる部分を漠然という。ウエスト。
2.衣服やはかまの腰にあたる部分。
3.あらゆる物の、腰に相当する部分。中ほどより少し下の部分。
4.紙や布などの、しなやかで破れにくい性質。
5.餅(もち)や粉などの、粘りや弾力。
6.刀や袴など、腰につけるものを数えるときの単位。「刀ひと腰」「袴ひと腰」
7.何かをする際の姿勢や構え。「及び腰」「けんか腰」など。
2.衣服やはかまの腰にあたる部分。
3.あらゆる物の、腰に相当する部分。中ほどより少し下の部分。
4.紙や布などの、しなやかで破れにくい性質。
5.餅(もち)や粉などの、粘りや弾力。
6.刀や袴など、腰につけるものを数えるときの単位。「刀ひと腰」「袴ひと腰」
7.何かをする際の姿勢や構え。「及び腰」「けんか腰」など。
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ひとつの季節がドアを開けて去り、もうひとつの季節がもうひとつのドアからやってくる。人は慌ててドアを開け、おい、ちょっと待ってくれ、ひとつだけ言い忘れたことがあるんだ、と叫ぶ。でもそこにはもう誰もいない。ドアを閉める。部屋の中には既にもうひとつの季節が椅子に腰を下ろし、マッチを擦って煙草に火を点けている。もし言い忘れたことがあるのなら、と彼は言う、俺が聞いといてやろう、上手くいけば伝えられるかもしれない。いやいいんだ、と人は言う、たいしたことじゃないんだ。風の音だけがあたりを被う。たいしたことじゃない。ひとつの季節が死んだだけだ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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春と夏とが同時に押し寄せてきたかのように、季節が急速に進む
堀 辰雄 / 風立ちぬ amazon
時間は驚くほどゆっくりと流れた。それは天に向けてそびえ立つ巨大な機械装置の一個のボルトを思わせる冷ややかで硬質な三十分だった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
それは思い出せぬほど長い時間だった。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
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