もう後戻りしない確かなぬくもりが風に感じられた。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:27% 作品を確認(amazon)
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春の風
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......だけ。でも心配はいらないわ。嫌な人じゃないことは確かだから」「はい」 いとこはうなずいた。 あの嵐の夜を境に、一気に春が吹き込んでいた。相変わらず曇っていたが、もう後戻りしない確かなぬくもりが風に感じられた。いとこは入寮手続きの書類の入った紙袋を、左の脇にしっかり抱えていた。どこか遠い所で鳥が鳴いていた。「一つ、言い忘れていたことがあるの」 ずっと気になっていたのに......
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吹く風は冷ややかさを含み、四月の半ばとはいえ、季節が簡単に逆戻りしてしまうことを教えている。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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春めいた 長閑 な日だった。前の石垣の間から、大きな 蜥蜴 が長い 冬 籠りの大儀そうな 身体 を半分出して、 凝然 と日光をあびている。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
花吹雪の時には、花びらがおびただしく海に散り込み、海面を鏤 めて漂い
太宰治 / 人間失格
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