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それは娘の歎 きの部屋ではあるまいか、しんも根 も尽き果てて人前ばかりでなく自分自身に対しての、張気も装いも投げ捨てて、投げ捨てるものもなくなった底から息を吸い上げて来ようとする、時折の娘の命の休息所なのではあるまいか。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:38% 作品を確認(青空文庫)
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引きこもり生活・閉じこもり生活
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前後の文章を含んだ引用
......ていらっしゃいました。時々お二階の部屋へお嬢さんはお入りになりますが、その時はどんな用事でもお部屋へ申上げに行ってはならないと仰 いますので……」 私には判った。それは娘の歎 きの部屋ではあるまいか、しんも根 も尽き果てて人前ばかりでなく自分自身に対しての、張気も装いも投げ捨てて、投げ捨てるものもなくなった底から息を吸い上げて来ようとする、時折の娘の命の休息所なのではあるまいか。 だが、ときどきにもせよ、そういう一室に閉じ籠れるのは羨 しい。寧 ろ嫉 ましい。自分のように一生という永い時間をかけて、世間という広い広い部屋で、筆を小刀 に心身を切......
単語の意味
偽装・擬装(ぎそう)
装い(よそおい)
嘆く・慟く・歎く(なげく)
偽装・擬装・・・1.偽(いつ)り装(よそ)うこと。ある事実をおおい隠すための、装いや行動。他人の目をごまかすため、他の物事や状況を装うこと。
2.周囲の風景や他の物とよく似た色や形にして、姿を見分けにくくすること。カムフラージュ。
2.周囲の風景や他の物とよく似た色や形にして、姿を見分けにくくすること。カムフラージュ。
装い・・・1.身なりや外観を整えること。美しく飾ること。目的や雰囲気に応じた飾り付け、身なり、設備などのこと。また、その姿。装飾。装束。よそい。
2.目にしたようす。趣き(おもむき)。風情(ふぜい)。
3.仕度をすること。準備をすること。
2.目にしたようす。趣き(おもむき)。風情(ふぜい)。
3.仕度をすること。準備をすること。
嘆く・慟く・歎く・・・1.悲しみやの怒りの気持ちを強くあらわす。ひどく悲しむ。悲しんで泣く。
2.満たされない思いにため息をつく。嘆息(たんそく)する。
3.世の風潮などに心を痛めて憤る。慨嘆(がいたん)する。
4.心から切に願う。願う。強く望む。躍起(やっき)になる。
2.満たされない思いにため息をつく。嘆息(たんそく)する。
3.世の風潮などに心を痛めて憤る。慨嘆(がいたん)する。
4.心から切に願う。願う。強く望む。躍起(やっき)になる。
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引きこもり生活・閉じこもり生活の表現・描写・類語(人生のカテゴリ)の一覧 ランダム5
性の悪い牡蠣 のごとく書斎に吸い付いて、かつて外界に向って口を開 いた事がない。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
ずうっと、安全な室内にいると、人間は家に同化して家具のようになってしまう。 町でよく見かける、外にいるのに服装も顔も室内のままな人。のっぺりして反応が鈍く、人の目を見ない、ゆるみきった人。野性を忘れてしまった目をしている。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
それは娘の歎 きの部屋ではあるまいか、しんも根 も尽き果てて人前ばかりでなく自分自身に対しての、張気も装いも投げ捨てて、投げ捨てるものもなくなった底から息を吸い上げて来ようとする、時折の娘の命の休息所なのではあるまいか。
岡本かの子 / 河明り
「殻に閉じこもるのは良くない」と以前に成瀬が一度言ったことがあるらしいが、すると田中は、「違うんだよ」と怒ったという。「僕が世界を閉じ込めているわけ。僕の部屋の壁が世界を囲んでいるんだよ。閉じ込められているのは、僕以外の全員で、外にいるのは僕だけってわけ」
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
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牛馬のように働き、牛馬のように死んでいく
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
これは悲しくも私たちの一人一人が肩の上に背負わなければならない不条理だ。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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