春先の暴飲暴食がたたって、五キロも太った。五、という数字よりも、体重が生まれて初めて五十の大台にのったことが、さすがにショックだった。未知の体重には未知の考え方があるのかと思ったくらい、自分の体を重く感じた。

夜中の食欲は 悪霊 だ。個人の人格と独立して機能している。 　アルコールも、暴力も、ドラッグも、恋愛も。多分、ダイエットすら。 　 耽溺 はみんな同じだ。 　善悪ではない、生きている。そしてやがて飽きる。飽きるか、取り返しがつかなくなるか。そのどちらか。 　飽きると知っていても波のようにくりかえしやってくる。姿形を変え、浜を洗い、よせてはかえし、静かに、激しく。 　くりかえす、過ぎていく。 　遠い風景。緊張と緩和がもたらす人生の、永遠の海辺。

昼夜が完全に逆転した不規則な生活が続く

歌はすこぶる悠長なもので、夏分の水飴のように、だらしがないが

百パーセント健康な人なんて、いやしない。

朽木（くちき）のような細い体

歌はすこぶる悠長なもので、夏分の水飴のように、だらしがないが

（電話相手が疲れている）時差はどれくらい？　とか調子はどう？　とか聞いても答えが全くない。ただ、 「うん、とにかく帰るわ。」 　と言うだけだった。私は時報や天気予報と話しているような気がしてしまって

グロッキー

（顔のケロイド）まるで蛭（ひる）の巣だよ。