人間にすれば十五、六といったところだろう。切ない歳だ。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:6% 作品を確認(amazon)
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思春期
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前後の文章を含んだ引用
......半券と一緒にそれをみつけた。 三日めの朝に、小さな鼠がその罠にかかっていた。ロンドンの免税店に積み上げられたカシミヤのセーターのような色をしたまだ若い鼠だった。人間にすれば十五、六といったところだろう。切ない歳だ。ガムの切れ端が足下に転がっていた。 つかまえてはみたものの、どうしたものか僕にはわからなかった。後足を針金にはさんだまま、鼠は四日めの朝に死んでいた。彼の姿は僕......
単語の意味
切ない(せつない)
切ない・・・悲しさや寂しさや恋しさで、胸がしめつけられる気持ちのこと。やりきれない思い。やるせない思い。
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もう十七歳だと焦る気持ちと、まだ十七歳だと安心する気持ちが交差する
綿矢 りさ / インストール amazon
私の身長はその頃また伸びて百六十二センチくらいだったろうか。
吉本 ばなな「アムリタ(下) (新潮文庫)」に収録 amazon
私は十六歳で、大人とはまだ言えないし子供でもなく
よしもとばなな / 銀の月の下で「まぼろしハワイ」に収録 amazon
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青春の日々のことが、鼻の奥に淡い発揮性の匂いを残してかすめ去って行く
吉行 淳之介 / 砂の上の植物群 amazon
ふき子の内身からは一種無碍 な光輝が溢れ出て、何をしている瞬間でもその刹那刹那が若い生命の充実で無意識に過ぎて行く。丁度無心に咲いている花の、花自身は知らぬ深い美に似たものが、ふき子の身辺にあった。
宮本百合子 / 明るい海浜
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