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あや目も知れないやみの中から、硫黄いおうたけの山頂――右肩をそびやかして、左をなで肩にした――が雲の産んだ鬼子のように、空中に現われ出る。鈍い土がまだ振り向きもしないうちに、空はいち早くも暁の光を吸い初めたのだ。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:31% 作品を確認(青空文庫)
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夜明け
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前後の文章を含んだ引用
......中から赤子の激しい泣き声が起こる。しばらくしてそれがしずまると、風の生み出す音の高い不思議な沈黙がまた天と地とにみなぎり満ちる。  やや二時間もたったと思うころ、あや目も知れないやみの中から、硫黄いおうたけの山頂――右肩をそびやかして、左をなで肩にした――が雲の産んだ鬼子のように、空中に現われ出る。鈍い土がまだ振り向きもしないうちに、空はいち早くも暁の光を吸い初めたのだ。  模範船(港内に四五そうあるのだが、船も大きいし、それに老練な漁夫が乗り込んでいて、他の船にかけ引き進退の合図をする)の船頭が頭をあつめて相談をし始める。どこと......
単語の意味
暁(あかつき)
土(つち)
なで肩・撫で肩・撫肩(なでがた)
硫黄(いおう・ゆおう)
・・・夜明け。明け方。太陽の昇る少し前のまだ薄暗いころ。
・・・岩石と有機物が混じって細かい粉末状になったもの。有機物は、生物の死骸およびその腐敗物、微生物などから構成されている。砂(有機物が含まれない)とは違い、植物が育ちやすい。
なで肩・撫で肩・撫肩・・・撫(な)で下ろしたように、なだらかに下がった肩。
硫黄・・・非金属元素のひとつ。元素記号S、原子番号16。黄色い結晶でもろい。火をつけると、青い炎を出して、二酸化硫黄(=亜硫酸ガス)を生じる。温泉街や噴火口などで感じる、俗にいう「硫黄くさい」とは硫黄と水素の化合物である「硫化水素」のにおいで、硫黄単体では無臭。「ゆわう」「ゆわ」は古名。
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