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紫黒色の紙に金絵具 で、右上から左下へ波紋を作って流れて行く水が描いてあるが、非常に優雅な筆致 に見えた。私はその青暗い平面に浮き出している夢のような、又は細い煙のような柔らかい金線の美しい渦巻きに魅せられ
夢野久作 / ドグラ・マグラ ページ位置:78% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......しかし私も丁度そんなような聯想を頭に浮かめていたところだったので、格別驚きもせずにうなずいた。 象牙の篦 を結び付けた暗褐色の紐を解いて巻物をすこしばかり開くと、紫黒色の紙に金絵具 で、右上から左下へ波紋を作って流れて行く水が描いてあるが、非常に優雅な筆致 に見えた。私はその青暗い平面に浮き出している夢のような、又は細い煙のような柔らかい金線の美しい渦巻きに魅せられながら、何の気もなくズルズルと右から左へ巻物を拡げて行ったのであったが……やがて眼の前に白い紙が五寸ばかりズイとあらわれると、私は思わず…… 「……アッ……」 と......
単語の意味
優雅(ゆうが)
筆致(ひっち)
渦巻く(うずまく)
紫黒(しこく)
優雅・・・上品で美しいこと。気持ちや雰囲気にゆとりがあるさま。
筆致・・・描かれた絵や文字の雰囲気。筆つき。
渦巻く・・・1.水や煙がグルグルと回って渦になる。ある感情が心の中に渦のようにグルグルと存在する。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
2.気持ちや考えが次から次へと起こって、ごちゃごちゃになる。
紫黒・・・紫がかった黒い色。
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美術品 ・ 芸術作品の表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
裸体像で、周囲が白紙になっているために空間に浮いているように見える。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
(石像)庭には翼を広げた鳥をかたどった人の胸くらいの高さの台座のついた石像が置かれていたが、そのまわりにはたっぷりと雑草が茂り、とりわけ丈の高いセイタカアワダチソウは先端を鳥の足もとにまで届かせていた。鳥は──それがどんな種類の鳥であるのかは僕にもわからなかったけれど──そんな状況に苛立って、それで翼を広げて今にも飛び立とうとしているかのようだった。
村上春樹 / ねじまき鳥と火曜日の女たち「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
芸術は人間の渇仰 の極致を表わしたものだと思います
夏目漱石 / 吾輩は猫である
(マチスの美術館)私はその静かな空間にあふれる色彩を見て、マチスの心のかけらを永遠に体と心に写し取ったような気さえした。
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絹沓(きぬぐつ)があでやかに花弁のように見えた。
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