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別に忘れてはいなかった。でも思い出せなかった。心が漬物石のように蓋をして、彼女との記憶を閉じ込めようとしていたのだろう。 人は何かを覚えるために忘れる、と聞いたことがある。忘却は前進のためにあると。
川村 元気 / 世界から猫が消えたなら ページ位置:28% 作品を確認(amazon)
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶
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......ず注文して、これが世界で一番好きな食べ物だとよく話していた。動物園に行くとニホンザルが集まる猿山から離れなかったし、冬でも夏でもあたたかいココアを飲んでいた。 別に忘れてはいなかった。でも思い出せなかった。心が漬物石のように蓋をして、彼女との記憶を閉じ込めようとしていたのだろう。 人は何かを覚えるために忘れる、と聞いたことがある。忘却は前進のためにあると。果たしてそうなのだろうか。いざ自分が死に直面してみると、思い出すのは無数にある瑣末な思い出ばかりだ。「忘れちゃうものなのね。まあでも予想通り。私たちが別れた理由......
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忘れる・思い出せない・曖昧な記憶の表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(タマリスクという花の名が思い出せない)あれはなんという名だったか。砂嵐に 烟って一面に咲き乱れるという紅紫色の花。どうしても思い出せない。タマ……タマス……タクマ……タリスマ……タクラマ……。口のなかでどう唱えても最後にはタクラマカンという語になってしまう。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
思い出せないのだ。僕の頭にはつぶつぶのような空白が生じている。
村上春樹 / 遠い太鼓 amazon
どうしても、覚えのある気はするが、記憶をつかむ努力に疲れて、眼を反 らした。
吉川英治 / 雲霧閻魔帳
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まるで自分の人生を、一つの風景として眺めさせられているかのような顔つき
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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