本当に静かだ、と僕は思う。あたりにはもう物音ひとつしない。我々以外の全ての人々は秋の最初の日曜日を祝うためにどこかにでかけてしまったのだ。
※備考※ 作品内の時間も秋の最初の日曜日。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:46% 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
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前後の文章を含んだ引用
......女の体を眺めた。「まるで生きてるみたいでしょ」と彼女が言った。「君のこと?」「うん。私の体と、私自身よ」「そうだね」と僕は言った。「たしかに生きてるみたいだ」 本当に静かだ、と僕は思う。あたりにはもう物音ひとつしない。我々以外の全ての人々は秋の最初の日曜日を祝うためにどこかにでかけてしまったのだ。「ねえ、こういうのってとても好きよ」と小さな声で彼女が囁いた。「うん」「なんだか、まるでピクニックに来てるみたい。とても気持いいわ」「ピクニック?」「そうよ」 ......
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
それきり何も話そうとはしなかった。ふたりは再び黙りこくって、ただ向かい合っていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
辰川が黙り込んだ。その沈黙が、同じことを思い浮かべていることを物語っていた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
有島武郎 / 或る女
「ふうん」と言って男はしばらく黙った。沈黙の質を見定めるような黙り方だった。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
囁き声が、蘆(あし)の葉に渡る風のようにどこからともなく起こる
芥川 龍之介 / 邪宗門 (1977年) amazon
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