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豆粒でも拾うように、ボツリ、ボツリ、しかしむさぼるように、それを読んで
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:32% 作品を確認(青空文庫)
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前後の文章を含んだ引用
......の中から出てきた。そのうちの一人の荷物の中から、片仮名と平仮名の交った、鉛筆をなめり、なめり書いた手紙が出た。それが無骨な漁夫の手から、手へ渡されて行った。彼等は豆粒でも拾うように、ボツリ、ボツリ、しかしむさぼるように、それを読んでしまうと、いやなものを見てしまったという風に頭をふって、次ぎに渡してやった。――子供からの手紙だった。  ぐずりと鼻をならして、手紙から顔を上げると、カスカスした......
単語の意味
貪る(むさぼる)
貪る・・・終わることなく欲しがり続ける。満足することなく一つの行為を続ける。
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